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シェイプ・オブ・ウォーター

  • TAKAHIRO
  • 2019年1月17日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年2月27日




原題【Shape of Water】


この作品は劇場で2回鑑賞後、サントラと設定資料集も買い、かなりハマりました。


1回目は「淑女と半魚人の恋物語」という、大人のおとぎ話的なポイントに焦点を当てて、2回目はギレルモ・デル・トロ監督自身が意図する「人種差別的な問題」に注目して観ました。


ギレルモ・デル・トロ監督は、マイケル・シャノン演じるストリックランドを、トランプ大統領をイメージしたキャラ作りにしているそうで、劇中で彼が読んでる本「Power of Positive thinking」からも、それがわかる。

この本はトランプ大統領の愛読書として有名だ。


ストリックランドは、人の形をしていても、魚のような外見というだけで、半魚人に激しい暴力を振い、己よりも身分の低い(彼の場合は職業や人種、性別で決めている)人間に対しては、容赦無く差別的な言動を発する。



対照的なのは、イライザやジャイルズ、ゼルダといった普段差別されている側の人間だ。


同性愛が世間的に全く市民権を得ていないあの時代に、50過ぎの紳士がカツラを被り、年下の若い男をデートに誘う為、不味いパイ屋に通う様を、隣で微笑ましく見守るイライザ。


半魚人を逃がしたいというイライザの願いを1度は跳ね除けてしまうが、広告業の元同僚に「写真の時代におまえの絵は古い」とあしらわれ、その帰りに寄ったパイ屋で、意中の男が黒人客や同性愛の自分に対して、酷く差別的な態度をとる姿に落胆する。


それと同時に、ありのままの自分を見てくれているのは、イライザだけだと、その存在の有難さ、大切さを痛感し、半魚人の逃走を手伝わせてくれと、懇願するジャイルズ。


最初は半魚人の逃走に反対したが、イライザが本気だとわかると、すぐに手伝ってくれて、最後までストリックランドに口を割らなかったゼルダ。

彼女は、イライザが半魚人と男女の肉体的な関係になった時も、一緒になって、喜んでくれる。


彼らの互いを尊重し合う関係性は、羨ましくもあり、とても美しい。




2回の鑑賞の中で、最も好きになったキャラクターは、ホフステトラー博士だ。


映画が始まって序盤、彼はモブキャラ的な描かれ方をしている。

初めて彼に焦点が当たるのは、同志であるロシアのスパイに会いに行く場面。


しかし、それ以前の行動に注目していると、彼がイライザやゼルダという、ただの掃除係にすら、分け隔てなく接している様が伺える。


廊下ですれ違う度に、彼女らに小さく会釈をしているし、白衣のクリーニングをお願いする時も、綺麗に小さく畳み、渡す時に、綺麗なお辞儀をする。


劇中でイライザが「あなたは良い人ね」と言うように、ホフステトラー博士の人間性が垣間見える瞬間が、本編の至る所に散りばめてある。


僕が尊敬する映画評論家、町山智浩さんが、ギレルモ・デル・トロ監督にこの映画についてのインタビューをした時、「人種的、宗教的な問題が頻発しているこの時代に、我々芸術家がやるべきは、境界線を消す事なんだ」と答えている。


つまり、誰にでも平等に接し、最終的には弱い立場であるイライザ達に手を差し伸べるホフステトラー博士は、ギレルモ・デル・トロ監督自身の投影ではないかと感じた。


体型とメガネも何となく似てるし(笑)



1番イライラさせるのは、ゼルダの旦那!



幼い頃から日本の怪獣が大好きで、その愛と執念で、ずっと特撮的手法を、自身の作品に取り入れてきた。


今回ダグ・ジョーンズ扮する、半魚人に用いた今までの技術を、壮大で繊細かつ、美しい作品へと昇華させた、ギレルモ・デル・トロ監督の手腕が余すことなく発揮された、珠玉の1本。


2018年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞を受賞している映画なので、是非観て下さい



 
 
 

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